朝日日本歴史人物事典 「寺村左膳」の解説
寺村左膳
生年:天保5.6.24(1834.7.30)
幕末の土佐(高知)藩重役,旧藩主山内家家令。高知城下に住む中老700石取り寺村主殿の3男。資性温厚,国学に素養あり,公武合体論を持した。前藩主山内容堂(豊信)の側用役から仕置役に進み,慶応3(1867)年10月の土佐藩の大政奉還建白には後藤象二郎,福岡孝弟,神山郡廉らと連署した。4年1月,鳥羽・伏見の戦の報が高知に至るや,左膳は土佐藩の参戦に反対し,板垣退助ら討幕派に厳しく責められ,同年6月除族,安芸郡野根に蟄居した。まもなく赦免され,旧藩主山内家の家令を勤めたのち東京に出たが,晩年は不遇だったようだ。東京で病没。
(福地惇)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報