鳥羽
とば
京都市南部、伏見(ふしみ)区と南区にまたがる地区。鴨(かも)川と桂(かつら)川が合流して淀(よど)川に注ぐ所で、鳥羽津は難波(なにわ)と対比された河港で早くから開けた。また鳥羽作道(とばのつくりみち)によって洛中(らくちゅう)へ通じた。付近一帯は土地が低湿であったが、11世紀末白河(しらかわ)上皇が180町に及ぶ広大な鳥羽殿(離宮)を造営し、公家(くげ)の邸宅も集まった。現在、離宮跡には真幡寸神社(まはたきじんじゃ)ともよばれる城南宮(じょうなんぐう)がある。1960年(昭和35)国道1号の西側で離宮の発掘が始まり、遺構が発見された。幕末に戊辰(ぼしん)戦争の発端となった鳥羽・伏見の戦いが行われた。鳥羽水環境保全センター(旧、鳥羽下水処理場)がある。
[織田武雄]
『城南文化研究会編『城南』(1967・城南宮)』
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鳥羽
とば
京都市南部の一地区。上鳥羽と下鳥羽に分れる。かつては上鳥羽村と下鳥羽村であったが,1931年京都市に編入。現在上鳥羽は南区に,下鳥羽は伏見区に属する。鴨川の両岸にまたがる低地で,白河上皇の鳥羽殿 (鳥羽離宮) が造営されたところ。戊辰戦争の発端となった鳥羽・伏見の戦い (1868) の地。かつては集約的な近郊野菜園芸地域であったが,現在は工場用地化が進んでいる。鳥羽離宮跡や城南宮,安楽寿院など多くの史跡がある。
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とば【鳥羽】
[一]
三重県東部の
地名。
志摩半島の北東部にあり、伊勢湾に面する。
古来、
軍事・商業・交通の重要港として発達。
水産資源に富み、伊勢志摩国立公園の観光基地として知られる。昭和二九年(
一九五四)
市制。
[二] 京都市南部の地名。鴨川下流域から宇治川北岸の三栖(みす)付近までの地域で、上鳥羽(南区)と下鳥羽(伏見区)に分かれる。鳥羽田(とばた)。
[三] 愛知県幡豆
(はず)郡幡豆町の地名。
三河湾に面する。
とっ‐ぱ【鳥羽】
〘名〙 鳥の
羽毛を用いて作った、魚釣用の
擬餌(ぎじ)。はね。ばけ。
ぼろ。
蚊針(かばり)。
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鳥羽【とば】
京都市南部,南区(上鳥羽)と伏見区(下鳥羽)にわたる地区。古くは平安京の外辺部に相当し,西国街道,淀川水運の拠点で,幕末には鳥羽・伏見の戦があった。現在は住宅地化が進み,洛南工業地帯の一画でもある。名神高速道路の京都南インターチェンジがある。
→関連項目鳥羽殿|鳥羽作道
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