朝日日本歴史人物事典 「寺町百庵」の解説
寺町百庵
生年:元禄8(1695)
江戸中期の俳人。本姓は越智氏。名は言満。ほかに己百庵,南無三坊などの諸号もある。江戸の人。父の代から幕府御坊主衆の一員で,表坊主を勤める。多才な人で,茶は石州流,和歌は冷泉家。連歌を能くし,俳諧は山口素堂の家系にあることより嗜む。若年より遊里に出入りし,紀国屋文左衛門の取巻連として嬌名を馳せた。考証家としても優れており,『歌嚢井蛙談』『燧袋花鶯談』などの著作もあった。<参考文献>中野三敏「寺町百庵の前半生」(『今井源衛教授退官記念・文学論叢』),同「寺町百庵の後半生」(『文学研究(九州大学)』1983年2月号)
(楠元六男)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報