対抗関税(読み)たいこうかんぜい

日本大百科全書(ニッポニカ) 「対抗関税」の意味・わかりやすい解説

対抗関税
たいこうかんぜい

緊急関税に対抗して賦課できる関税措置。WTO(世界貿易機関)協定ではガット第19条と「セーフガード協定」で、輸入が急増し国内産業に重大な損害を与えるかそのおそれのある場合には、関税の引上げなどによって緊急に輸入制限をすることができるとしている。この場合、関係両国の協議が必要であるが、合意に至らないまま輸入国が緊急関税を発動した場合には、輸出国はそれに対抗して、一定期間内に、相手国からの輸入品に対して必要な限度を超えない範囲で関税を引き上げることをセーフガード協定第8条で認めている。わが国の関税定率法第9条においても、ガット第19条による緊急措置が発動された場合には、政令により、国および貨物を指定して、対抗関税を課することができる旨定めている。

[秋山憲治]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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