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…以上の四つが関税の主たる効果であるが,それだけにとどまらず,国際収支や所得分配に対しても少なからぬ効果をもっている。【倉田 一成】
[関税に関する法律]
日本では関税に関する主要な法律として,関税法(1954公布),関税定率法(1910公布)および関税暫定措置法(1960公布)がある。このうち,関税法は,関税の確定・納付・徴収および還付,船舶・航空機の入港と出港,貨物の輸入と輸出の許可等について規定しており,したがって租税法(関税の賦課・徴収に関する法律)としての性格と通関法(入出港・輸出入の管理に関する法律)としての性格をあわせもっている。…
…同年の条約改正,新通商条約の発効によって関税自主権の一部が回復されたのである。関税定率法制定(1897)と条約改正の結果,輸入品532品目中427品目が関税定率法にもとづく国定税率を課すこととなり,税率も国定税率平均15%,協定標準税率10%に引き上げられ,さらに輸出税も全廃された。この結果,国家財政中の関税収入の比重が高まるとともに,国内産業の発展がもたらされ,とくに綿糸紡績業は原料綿花や紡績機械類の輸入税の免除や航路補助によってめざましい発展を示し,カルテル活動が本格化するに至った。…
※「関税定率法」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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