対潜水艦戦(読み)たいせんすいかんせん(その他表記)Anti-Submarine Warfare; ASW

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「対潜水艦戦」の意味・わかりやすい解説

対潜水艦戦
たいせんすいかんせん
Anti-Submarine Warfare; ASW

海上交通の安全を確保するため,海中に潜む敵潜水艦を音響情報などを通じて探知・撃破するまでの一連作戦。具体的には,護衛艦をはじめとする対潜水上艦艇,P-3C対潜哨戒機,対潜ヘリコプタ,潜水艦等の搭載するソーナーで収集するデータをもとに実施されている。近年の潜水艦の静粛化に対応するため,横須賀のアメリカ海軍基地内に対潜戦センターを設置し,(1) 海中の水温雑音などの海洋環境の解明,(2) 潜水艦の発する音響特性の解析・カタログ化,(3) 対潜捜索要領の改善,などの対潜水艦戦能力の向上をはかる計画が進行している。

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世界大百科事典(旧版)内の対潜水艦戦の言及

【海軍】より

…近年,遠距離から攻撃可能な対艦ミサイルが用いられるようになり,米・ソは海上にある軍艦を探知するための軍事衛星を配備し,軍艦が以前のような隠密性をもちえなくなるなどのため,制海を獲得する手段は著しく変化している。
[潜水艦戦,対潜水艦戦]
 (1)海上交通線の破壊,(2)艦船の攻撃(潜水艦,とくに敵の管制水域内にある戦略ミサイル潜水艦に対する攻撃を含む),(3)巡航ミサイルを使用した陸上の攻撃,(4)潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)などを使用した戦略攻撃(一般に(3)(4)は潜水艦戦に含めない)が潜水艦の主要任務である。潜水艦戦は,制海権の保持が戦争の勝敗に必ずしも死活的重要性をもたない大陸国の海洋国に対する作戦として重視されてきた。…

※「対潜水艦戦」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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