射込む(読み)イコム

デジタル大辞泉 「射込む」の意味・読み・例文・類語

い‐こ・む【射込む】

[動マ五(四)]
矢をねらうものの中にはなつ。「敵陣に―・む」
光・視線などを鋭く放つ。
「紫の光が、ぱっと―・まれた」〈里見弴・大道無門〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「射込む」の意味・読み・例文・類語

い‐こ・む【射込・射籠】

  1. [ 1 ] 〘 他動詞 マ行五(四) 〙
    1. 矢または弾丸を、射て、ねらう物の中に入れる。射入る。
      1. [初出の実例]「ひゃうづばと射て、筈(はず)のかくるる程ぞゐこうだる」(出典平家物語(13C前)一一)
    2. ( 比喩的に用いて ) 光、視線、言葉などを、鋭く、突然、物や人に向かって放ち入れる。
      1. [初出の実例]「励しい言葉を自分の鼓膜に射込(イコ)んだ」(出典:行人(1912‐13)〈夏目漱石〉兄)
  2. [ 2 ] 〘 他動詞 マ行下二段活用 〙
    1. [ 一 ]に同じ。
      1. [初出の実例]「障子の板の外より肩崎へ射籠(コメ)られたりける白羽の矢一筋」(出典:太平記(14C後)二二)
    2. (網のついた)矢を射て網の中へ獲物をとじこめる。
      1. [初出の実例]「矢さきに網を付て射る時、風に吹れて口がひろがりて中へ鳥をいこめて」(出典:応永本論語抄(1420)述而第七)

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