将棋電王戦(読み)しょうぎでんおうせん

日本大百科全書(ニッポニカ) 「将棋電王戦」の意味・わかりやすい解説

将棋電王戦
しょうぎでんおうせん

プロ棋士コンピュータ将棋ソフトとの間で行われていた棋戦。2012年(平成24)1月、当時の日本将棋連盟会長であった米長邦雄(よねながくにお)(1943―2012)永世棋聖と、前年の世界コンピュータ将棋選手権の優勝ソフト、ボンクラーズが一番勝負(持ち時間3時間)で対局し、ボンクラーズが勝利した。

 2013年に行われた第2回大会(持ち時間4時間)からは棋士5人と、世界コンピュータ将棋選手権の上位5ソフトとの団体戦形式となった。1日1局ずつ、合計5日間の日程で実施され、将棋ソフト側が3勝1敗1引き分けで勝ち越した。このとき敗れた棋士の一人が将棋界最上位クラスのA級棋士であったため、世間の注目を集めることになった。翌2014年の第3回大会(持ち時間5時間)からは世界コンピュータ将棋選手権にかわって、同じく将棋ソフトどうしによる将棋電王トーナメントのベスト5と棋士5人との対戦となり、将棋ソフト側の4勝1敗であった。続く2015年の第4回大会(持ち時間5時間)の結果は棋士側の3勝2敗。コンピュータと棋士による団体戦という形式はこの第4回で終了し、翌2016年の大会からは将棋電王トーナメントの勝者叡王(えいおう)との二番勝負に変更され、大会表記も回数から期表記となった(持ち時間は第1期8時間、第2期5時間)。結果は両期とも将棋ソフトの2連勝だったが、将棋電王戦、将棋電王トーナメント、ともに2017年大会をもって終了した。

[編集部 2019年3月20日]

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知恵蔵mini 「将棋電王戦」の解説

将棋電王戦

プロ棋士とコンピュータ将棋ソフトが戦う将棋棋戦。「電王戦」の命名は故米長邦雄永世棋聖・将棋連盟会長による。株式会社ドワンゴ、公益社団法人日本将棋連盟などの主催により開催されている。2012年の第1回では、米長永世棋聖と第21回世界コンピュータ将棋選手権優勝ソフト「ボンクラーズ」が対局。13年の第2回では、選抜された5人のプロ棋士(阿部光瑠四段、佐藤慎一四段、船江恒平五段、塚田泰明九段、三浦弘行八段)と、第22回世界コンピュータ将棋選手権の成績上位5ソフトによる団体戦が行われた。第3回は、14年にプロ棋士5人(屋敷伸之九段、森下卓九段、豊島将之七段、佐藤紳哉六段、菅井竜也五段)と、将棋電王トーナメント(13年11月開催)の上位5ソフトによる団体戦が行われる予定となっている。

(2013-10-9)

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