米長邦雄(読み)ヨネナガクニオ

デジタル大辞泉 「米長邦雄」の意味・読み・例文・類語

よねなが‐くにお〔‐くにを〕【米長邦雄】

[1943~2012]将棋棋士山梨の生まれ。昭和48年(1973)の棋聖戦で初タイトルを奪うと、昭和59年(1984)には十段棋聖王将棋王の4冠を獲得。昭和60年(1985)通産5期目の棋聖となり、永世棋聖資格を得た。平成5年(1993)には名人位を獲得。局面を複雑にして粘り強く戦う棋風は「泥沼流」と称された。タイトル獲得19期。

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百科事典マイペディア 「米長邦雄」の意味・わかりやすい解説

米長邦雄【よねながくにお】

将棋棋士。山梨県出身。中央大学中退。佐瀬勇次名誉9段門下。1963年にプロデビュー。1973年に初タイトルとなる棋聖を獲得し,1985年には十段・棋聖・王将・棋王の四冠に輝いた。名人戦には1976年の初挑戦以来,6回出場したがいずれも敗退。しかし,1993年の7回目の挑戦で中原誠名人を破り,名人位に就いた。49歳11ヵ月での名人位獲得は最年長記録となっている。棋聖位を通算5期以上保持した棋士に与えられる永世(えいせい)棋聖の称号をもち,通算成績は1103勝800敗。人柄はユーモアあふれる語り口などから〈さわやか流〉と称されたのに対し,棋風は不利な状況から混戦にもち込む戦術を得意とし〈泥沼流〉の異名をとった。2003年に引退し,2005年から2012年まで日本将棋連盟会長を務めた。なお,1999年から2007年まで東京都教育委員を務め,2012年には当時最強クラスの将棋ソフト〈ボンクラーズ〉と対戦し,公式対局で初めて敗れた棋士としての名も残した。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「米長邦雄」の意味・わかりやすい解説

米長邦雄
よねながくにお

[生]1943.6.10. 山梨,増穂
[没]2012.12.18. 東京
将棋棋士。1956年 6級で佐瀬勇次名誉 9段に入門。1963年 4段,1979年 9段。1973年度,第22期棋聖戦で初タイトル。1984年度棋聖,王将,棋王,十段の 4冠王となる。1985年永世棋聖の称号を受けた。1993年中原誠名人を破り,史上最年長で名人位獲得。1994年通算 1000勝を達成して特別将棋栄誉賞を受ける。中・終盤の展開には定評があり,その粘り強い棋風は「泥沼流」とも呼ばれ,瓢々としたキャラクターと相まって人気も高かった。2003年に引退,2005年から日本将棋連盟会長を務めた。通算成績は 1904戦 1103勝 800敗 1持将棋。2003年紫綬褒章,2013年旭日小綬章を授与された。

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知恵蔵mini 「米長邦雄」の解説

米長邦雄

将棋棋士。1943年6月10日、山梨県生まれ。56年、故・佐瀬勇次名誉九段に入門し、63年にプロ棋士となる。73年の棋聖戦で初タイトルを獲得し、84年には史上3人目の4冠(棋聖、十段、王将、棋王)を達成。85年に永世棋聖(棋聖のタイトルを通算で5期以上保持した棋士)の称号を受ける。93年、7度目の挑戦で名人戦に勝利し、49歳11カ月の最年長記録で名人位を獲得した。2003年に現役を引退。05年からは日本将棋連盟会長として将棋界の発展に寄与し、12年にはコンピューターの強豪ソフトと対局して話題を集めた。通算成績は1904戦で1103勝800敗、持将棋1。タイトル獲得数は歴代5位の計19期。終盤の劣勢になると難解な攻防に持ち込んで逆転を狙う棋風は「泥沼流」と称された。著書多数。

(2012-12-19)

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「米長邦雄」の解説

米長邦雄 よねなが-くにお

1943-2012 昭和後期-平成時代の将棋棋士。
昭和18年6月10日生まれ。昭和31年佐瀬勇次に入門。38年4段。48年棋聖戦で初タイトル。54年9段。59年に十段,棋聖,王将,棋王の四冠王となる。60年永世棋聖の資格をえる。平成5年7度目の挑戦で名人位を獲得し,タイトル獲得数は19。終盤のねじり合いにつよく,「泥沼流」と自称した。15年引退。17年日本将棋連盟会長。23年北陸先端科学技術大学院大の特任教授。平成24年12月18日死去。69歳。山梨県出身。中央大中退。

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367日誕生日大事典 「米長邦雄」の解説

米長 邦雄 (よねなが くにお)

生年月日:1943年6月10日
昭和時代;平成時代の棋士

出典 日外アソシエーツ「367日誕生日大事典」367日誕生日大事典について 情報

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