…京都愛宕山にまつられている愛宕神社を中心とする信仰。火伏せの信仰が中心である。近畿地方を中心として代参講が形成され,愛宕山へ代参を送り火伏せの札と樒(しきみ)の枝とを受けてくるほか,6月あるいは7月の24日に〈愛宕火〉と称して火祭をする所もみられる。また毎月24日に〈愛宕精進〉,つまり火伏せの祈禱のために精進をする地域はさらに広範囲にみられ,関東・東北地方では愛宕社をまつるところも多い。愛宕信仰では火伏せの信仰と地蔵信仰との結びつきが顕著に認められるが,これは神仏分離以前の愛宕山の本地仏として勝軍(将軍)地蔵がまつられていたことに由来する。…
…京都市右京区,愛宕山上に鎮座。旧府社。火防の神といわれ,全国約800社の根本社として尊崇されている。本宮に伊弉冉(いざなみ)尊,埴山姫命,天熊人(あめくまうし)命,稚産霊(わくむすび)神,豊宇気毘売神,若宮に雷神,迦遇槌(かぐつち)命,破无(はむ)神をまつる。社伝によると,大宝年間(701‐704)に役行者(えんのぎようじや),雲遍上人が洛北鷹峰に創祀し,781年(天応1)和気清麻呂,僧慶俊が〈愛当護大権現〉として,今の山上に移したものという。…
…菩薩の一つ。サンスクリット名クシティガルバKṣitigarbhaの訳。六道および五濁悪世を選んで救済活動にあたり,弥勒の出現まで活躍する。〈わが名を唱える人を苦から救う〉という誓願をたて,梵天,夜叉,狼,閻魔などさまざまの姿をとって衆生を導く。《地蔵菩薩本願経》によると,かつて二王がいて,一王は自ら悟ってから衆生を救おうと考え,一王はまず衆生を悟らせてから自らも悟ろうと考えた。前者は一切智成就如来,後者は地蔵菩薩である。…
※「勝軍地蔵」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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