小刀針(読み)こがたなばり

精選版 日本国語大辞典 「小刀針」の意味・読み・例文・類語

こがたな‐ばり【小刀針】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 鍼医(はりい)が用いる大きめの針。三稜針(さんりょうしん)。はばり。また、江戸時代安永(一七七二‐八一)の頃、吉原娼家で、遊女を小刀針で折檻して責め殺した事件が世に広まって、ひどくいじめることや残酷な折檻、仕置をいう。
    1. [初出の実例]「小刀針(コガタナバリ)でもやめぬ揚巻間夫狂ひ」(出典:歌舞伎・助六廓夜桜(1779))
  3. 小刀針で突くように辛辣な皮肉をいうこと。
    1. [初出の実例]「貴女は御全盛のお庇(かげ)に、と小刀針(コガタナバリ)自分が使う新造にまで恁(かか)ることを言はれながら」(出典:葛飾砂子(1900)〈泉鏡花〉八)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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