朝日日本歴史人物事典 「小墾田皇女」の解説
小墾田皇女
6世紀後半,押坂彦人大兄皇子の妃。敏達天皇と皇后豊御食炊屋姫尊(推古天皇)との皇女。小治田王ともいう。『日本書紀』では,異母兄押坂彦人大兄皇子と結婚し,子女は不詳となっている。一方,『古事記』では,小治田王の妹桜井玄王(桜井弓張皇女)が日子人太子(押坂彦人大兄)の妃となり,子ふたりを生んだとみえる。このふたつの異母兄妹婚はどちらかが誤伝であろう。もし,小墾田皇女姉妹がふたりとも異母兄の妻となったのであれば,珍しい異母兄妹間の一夫姉妹婚の事例となる。
(明石一紀)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報