小学(教育書)(読み)しょうがく

日本大百科全書(ニッポニカ) 「小学(教育書)」の意味・わかりやすい解説

小学(教育書)
しょうがく

6巻。一名『小学書』。南宋(なんそう)の朱熹(しゅき)(朱子)の監修の下にその友人劉清之(りゅうせいし)らが編集した書。1185年(淳煕12)にほぼ脱稿、その後一部修正を加えて87年、朱熹58歳のときに完成した。小学とは大学に対する語で、児童のための初歩の教育をさし、この書は児童に日常の礼儀作法や長上に仕え友人と交わる道などを説くことを目的とした。6巻の構成は、内篇(へん)(立教明倫・敬身・稽古(けいこ))、外篇(嘉言(かげん)・善行)の2篇に分かれ、内篇は経書(けいしょ)を引用した概論にあたり、外篇はその実際を人々の言行によって示している。後世、日本をも含めてよく読まれ、注釈書も種々つくられたが、明(みん)の陳(ちん)選の『小学句読』が広く行われている。

[山本 仁]

『宇野精一訳注『小学』(『新釈漢文大系3』所収・1965・明治書院)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android