朝日日本歴史人物事典 「小川弘」の解説
小川弘
生年:文化13.12(1816)
幕末維新期の村役人,勤王家。字は道甫,号は心斎,通称は五兵衛(五平とも)。越後国蒲原郡鳥潟村(新潟県新発田市)の庄屋の家に生まれる。はじめ儒学を新発田藩儒丹羽思亭に学び,のち安積艮斎に入門。18歳で庄屋を継ぎ,天保飢饉の窮民救済,加治川の治水,真野原(新潟県紫雲寺町)の開拓に功があった。戊辰戦争の際は,奥羽越列藩同盟側の新発田藩を新政府側に転換させるのにあずかって力があり,また長岡城進攻の新政府軍が大夫浜(新潟市)に上陸すると,軍の便宜をはかって作戦の有利な展開に寄与した。<著作>『北越春秋』『国邑誌』<参考文献>『勤王者調書類』(『新潟県史』別編3),『新発田市史』
(中村辛一)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報