小市村(読み)こいちむら

日本歴史地名大系 「小市村」の解説

小市村
こいちむら

[現在地名]長野市安茂里あもり 小市

さい川の善光寺平ぜんこうじだいらへの出口左岸の街村で、小市渡のあった所。

「吾妻鏡」文治二年(一一八六)三月一二日条に「天台山領小市」とみえ、正安元年(一二九九)書写戸隠とがくし神社蔵の紙本墨書大般若経巻の奥書に「小市郷薗(ママ)寺幸松殿令書写之」「於小河庄薗寺住房書了」と記してあるように小河庄に属していた。室町時代に入って、文明九年(一四七七)頃から小田切清遠が領し(諏訪御符礼之古書)、以後小田切氏代々の所領するところになったが、弘治三年(一五五七)室賀兵部大輔にあてた武田晴信の感状により小田切氏は武田氏に攻められて滅亡したことがわかる(山岸文書)


小市村
こいちむら

[現在地名]南足柄市小市

北に酒匂さかわ川が流れ、北・東は班目まだらめ村、南・西は怒田ぬだ村と接し、川村関所かわむらせきしよ道が西南部を通る。

近世は小田原藩領。寛永初期の小田原領西筋村々高ノ帳に「高五拾四石弐斗四升三合 小市村」とある。宝暦五年(一七五五)班目村千津島せんどしま村とともに、入会山への出入りを内山うちやま村が不当に制限していると藩に訴えている(「馬草苅取妨害につき願書」県史五)。天保一二年(一八四一)には名主甚左衛門などが難村復興仕法を願って報徳加入金を差出した(二宮尊徳全集)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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