日本大百科全書(ニッポニカ) 「小松藩」の意味・わかりやすい解説
小松藩
こまつはん
伊予国(愛媛県)東部の外様(とざま)小藩。陣屋持。伊予西条(さいじょう)藩主一柳直盛(ひとつやなぎなおもり)の三男直頼(なおより)が、1636年(寛永13)に周布(しゅふ)郡塚村(翌年小松と改称、現西条市小松町)1万石を分封されたのに始まる。新居(にい)郡・周布郡合計25村を統治。1802年(享和2)7代頼親は朱子学者尾藤二洲(びとうじしゅう)門の近藤篤山(とくざん)(伊予聖人)を招き、藩学養正(ようせい)館を創立。大生院(おおじょういん)の輝安鉱山(きあんこうざん)を住友に開発させ、製紙業を発展させた。廃藩置県(1871)により小松県となり、松山県、石鐵(せきてつ)県を経て73年愛媛県に統合された。
[景浦 勉]
『『西条市誌』(1966・西条市)』