小栗三郎(読み)おぐり・さぶろう

朝日日本歴史人物事典 「小栗三郎」の解説

小栗三郎

没年:明治43.6.22(1910)
生年天保6.9.22(1835.11.12)
幕末明治期の肥料商。小栗三郎兵衛第10代。初代三河国(愛知県)出身で,明治維新以降,第10代から三郎に改称。幕末には農業と酒造業(江戸市場向け)を営み,自家所有の千石船魚肥,雑穀などの遠隔地商業にも進出した(商号は万三商店)。明治初期にはすでに三井物産の有力仲買人のひとりであった。日露戦争後間もなく豆粕の製造にも着手,このころの肥料営業規模は全国でも十指に入ると思われ,愛知県多額納税者のひとりでもあった。明治中期には地元半田の有力企業・知多紡績や丸三麦酒の設立に参加。また知多商業会議所発起人のひとりとして,地元産業の発展にも尽くした。<参考文献>『半田市誌』,村上はつ「知多雑穀肥料商業の展開」(東大出版会編『近代日本の商品流通』),村瀬正章『近世伊勢湾海運史の研究

(西村はつ)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「小栗三郎」の解説

小栗三郎 おぐり-さぶろう

1835-1910 幕末-明治時代の商人
天保(てんぽう)6年9月22日生まれ。代々小栗三郎兵衛を名のって肥料商をいとなみ,千石船で魚肥,雑穀などをはこんで利益をえた。維新後10代をつぎ三郎と改称。知多紡績,丸三麦酒(ビール)の設立にもつくした。明治43年6月22日死去。76歳。三河(愛知県)出身。屋号は万三商店。

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