小石和郷(読み)こいさわごう

日本歴史地名大系 「小石和郷」の解説

小石和郷
こいさわごう

現笛吹川右岸の小石和を遺称地とする。小石沢・小井沢とも書く。貞治三年(一三六四)二月一五日の一蓮寺寺領目録(一蓮寺文書)によれば、文和三年(一三五四)九月一一日河内三郎太郎入道成阿寄進の経田一町のうち五段、貞治二年七月一〇日一条甲斐守信方後家現阿寄進の九段のうち二宮経田四段が小石和にあった。当地成就じようじゆ院は甲斐守護武田信重の館跡といわれる。信重は「先祖代々之氏寺」である一蓮いちれん(現甲府市)客殿造営のため合力したうえ、さらに勧進を認める文書を発して督励しており(文安三年三月日「武田信重書下」同文書)、「一蓮寺過去帳」にみえる小石和八例のうち五例が、彼の治世に重なる嘉吉四年(一四四四)から宝徳四年(一四五二)頃に集中するのは、信重と一蓮寺の関係の深さを物語るものであろう。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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