朝日日本歴史人物事典 「小野喬木の娘」の解説
小野喬木の娘
平安初期の往生者。山城守小野喬木の娘,文章博士藤原佐世の妾。若いときから仏法に帰依し,父母のいましめも聞かず,兄の僧延教から観無量寿経および諸経論の要文を抄出してもらい,昼夜学んで飽くことがなく,毎月15日の夕方になると五体を地に投げて西に向かって礼拝した。25歳で女子を生み,産後に没したと伝える。この説話は,女性往生者の模範とされ,『言泉集』や『普通唱導集』など,中世の唱導のテキストに収められている。<参考文献>慶滋保胤選『日本往生極楽記』,『今昔物語集』15巻
(西口順子)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報