小野寺百合子（読み）オノデラ ユリコ

20世紀日本人名事典

小野寺 百合子
オノデラ ユリコ

昭和・平成期の翻訳家,評論家

生年

明治39(1906)年10月1日

没年

平成10(1998)年3月31日

出生地

東京

学歴〔年〕

東京女子高等師範学校附属高等女学校専攻科〔昭和2年〕卒

主な受賞名〔年〕

スウェーデン勲一等北極星女性勲章〔昭和56年〕

経歴

昭和2年小野寺信陸軍中尉と結婚、公使館付武官として勤務の夫に従い沿バルト三国に2年、スウェーデンに昭和15年から敗戦まで在住。この間、夫は和平工作ための情報活動に従事、妻は大本営へ送る情報を暗号化し、暗号で送られてくる大本営からの電文を解読する役目を負った。しかし、小野寺武官の送る情報は一切無視され、日本は無謀な戦争へ突入。60年当時の真相と痛恨の思いをつづった「バルト海のほとりにて」を著す。トーベ・ヤンソンの「ムーミン」シリーズなど童話の翻訳のほか、スウェーデンの社会福祉制度の研究でも知られた。42年夫らとスウェーデン社会研究所を設立。のち顧問。平成8年亡き夫にかわりポーランドから勲章を受けた。他の著書に「私の明治・大正・昭和」など。

出典　日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」（2004年刊）

デジタル版 日本人名大辞典+Plus

小野寺百合子 おのでら-ゆりこ

1906－1998　昭和後期-平成時代の翻訳家。
明治39年10月1日生まれ。小野寺信と結婚。第二次大戦中,スウェーデン駐在武官の夫をたすけ,和平工作のための暗号電文をつくる。昭和42年夫らとスウェーデン社会研究所を設立し,福祉制度の研究をつづける。トーベ=ヤンソンの童話「ムーミン」シリーズの翻訳で知られた。平成10年3月31日死去。91歳。東京出身。東京女高師付属高女卒。著作に「バルト海のほとりにて」など。

出典　講談社