小鴨神社(読み)おがもじんじや

日本歴史地名大系 「小鴨神社」の解説

小鴨神社
おがもじんじや

[現在地名]倉吉市大宮

大宮おおみや集落の北、広瀬ひろせ川右岸に位置する。建御名方命・大己貴命・少彦名命などを祀り、旧郷社。応永年中(一三九四―一四二八)京都下鴨社の分霊を当地に勧請したのが草創と伝え、岩倉いわくら城主小鴨氏代々の尊崇を受けた。古くは小鴨大明神と称したが、寛文年中(一六六一―七三)頃より大宮大明神とよばれたといい、明治初年現社号に改称した(「伯耆民談記」「県神社誌」など)。小鴨氏隆盛の頃は春秋二回の当社神事には市場いちば村で前後七日間の牛馬市が立ち、近在の人々が群集して賑いをみせたといい(伯耆民談記)、また小鴨氏のほかにも名和氏山名氏・南条氏などの庇護を受け(県神社誌)、天文六年(一五三七)には播州宍粟しそう郡で勢力を振るう宇野豊後守が三十六歌仙の額面(社蔵)を奉納し、天正一〇年(一五八二)五月五日には小鴨元清の家臣一二名が吉川元春との合戦を前に連署血判誓盟した木札を奉納している(伯耆民談記)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報