岩倉(読み)イワクラ

デジタル大辞泉 「岩倉」の意味・読み・例文・類語

いわくら【岩倉】[京都市の地名]

京都市左京区の地名。岩倉山大雲寺や、幕末に岩倉具視隠棲いんせいした旧宅がある。[歌枕]
花薄はなすすきたれをとまれと―の小野の蜻蛉あきつに人まねくらん」〈新後拾遺・秋上〉

いわくら【岩倉】[姓氏]

姓氏の一。
[補説]「岩倉」姓の人物
岩倉具視いわくらともみ

いわくら【岩倉】[愛知県の市]

愛知県西部の市。名古屋市の北方にあり、住宅地として発展。こいのぼり名古屋コーチンの産地。人口4.7万(2010)。

いわ‐くら〔いは‐〕【岩倉】

石造りの倉。いしぐら。

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精選版 日本国語大辞典 「岩倉」の意味・読み・例文・類語

いわ‐くらいは‥【岩倉・岩蔵】

  1. [ 1 ] ( 「いわぐら」とも ) 石で造った倉庫。いしぐら。
    1. [初出の実例]「岩をたたみし岩倉には塩みつ玉・塩ひる玉」(出典:浄瑠璃・松風村雨束帯鑑(1707頃)龍神風流)
  2. [ 2 ]
    1. [ 一 ] 京都市左京区南部の地名。建武元年(一三三四)に藤原藤房、文久二年(一八六二)には岩倉具視が隠棲した。大雲寺(岩倉観音)、実相院岩倉門跡)がある。北岩倉。歌枕。
    2. [ 二 ] 愛知県北西部の地名。五月幟(のぼり)、張幕の産地。昭和四六年(一九七一市制
    3. [ 三 ] 京都市西京区大原野石作町の小塩山にある金蔵(こんぞう)寺のこと。西岩倉(山)。

いわくらいはくら【岩倉】

  1. 姓氏の一つ。

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改訂新版 世界大百科事典 「岩倉」の意味・わかりやすい解説

岩倉[市] (いわくら)

愛知県北西部の市。1971年市制。人口4万7340(2010)。古くから開発された地域で,縄文時代ののんべ遺跡弥生時代の住居跡が発見された大地遺跡(県史跡)などがあり,条里制遺構もみられる。地名は新溝(にいみぞ)神社の巨石に象徴されるように磐座(いわくら)から発したといわれる。中世,岩倉城がおかれ,尾張の上四郡をおさめて〈上の織田〉と呼ばれた織田氏がいたが,1559年(永禄2)織田信長に滅ぼされた。近世には六斎市がたつ市場町として栄えた。第2次世界大戦以前は農業が主産業であったが,戦後は繊維工業に加え,食料品,木材工業なども進出し,工業化が進んだ。名鉄犬山線が通じ,名古屋市内まで十数分の距離にあるところから,近年名古屋のベッドタウンとして大規模な住宅団地も建設され,急速に人口が増加している。伝統的な地場産業としてこいのぼり作りが全国的に有名。愛知県で最も面積の小さい市(10.49km2)でもある。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「岩倉」の意味・わかりやすい解説

岩倉(市)
いわくら

愛知県西部、名古屋市の北方にある市。名古屋市のベッドタウン。面積は10.47平方キロメートルと狭いが、人口密度は1平方キロメートル当り約4583人(2020)と高い。1971年(昭和46)市制施行。名古屋鉄道犬山線が通じ、国道155号が走る。岩倉の名は古代人の信仰した磐座(いわくら)と関係があるといわれる。大地遺跡(だいちいせき)は弥生(やよい)時代の居住跡、また条里制跡を示す市之坪(いちのつぼ)、十二田(じゅうにでん)などの地名もある。米作のほか、ハクサイネギなどの露地野菜や花卉(かき)などの園芸農業、ガラス、繊維、電気機器などの工業が盛ん。特産品としては鯉幟(こいのぼり)。市内を流れる五条川に沿ってサクラ並木が続き、4月に桜まつりが行われる。人口4万7983(2020)。

[伊藤郷平]

『『岩倉町史』(1955・岩倉町)』『『岩倉市史』(1985・岩倉市)』



岩倉
いわくら

京都市左京区中南部の一地区。古くは岩蔵とも書き、平安京鎮護のため『一切経(いっさいきょう)』を納めた岩蔵が設けられたという。叡山(えいざん)電鉄鞍馬(くらま)線が通ずる。天台宗門跡(もんぜき)寺院の実相院(じっそういん)をはじめ、大雲寺(岩倉観音(かんのん))、明治維新当時、岩倉具視(ともみ)が一時隠栖(いんせい)した旧宅(国指定史跡)などがある。

[織田武雄]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「岩倉」の意味・わかりやすい解説

岩倉
いわくら

京都市左京区の一地区。旧村名。 1949年京都市に編入。市街地の北東方に位置し,独立した小盆地をなす。古くは岩蔵,石蔵とも書いた。地名は平安京建設の際,王城鎮護を祈って四方に経本を納める石蔵を造らせたうちの一つ,北石蔵に由来。近郊農業地域であったが,近年は宅地化が進んでいる。古刹実相院,円通寺や史跡の栗栖野瓦窯跡,岩倉具視幽棲旧宅がある。

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百科事典マイペディア 「岩倉」の意味・わかりやすい解説

岩倉[市]【いわくら】

愛知県北西部の市。1971年市制。濃尾平野にあり,名古屋市に近いため,米・野菜・鶏卵を中心とした複合的な農業が行われる。窯業,化学,電気工業が発展しており,鯉幟(こいのぼり)を特産。名鉄犬山線が通じ,大規模な住宅団地が造成され,名古屋市への通勤圏に属する。10.47km2。4万7340人(2010)。

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世界大百科事典(旧版)内の岩倉の言及

【佐伯[町]】より

…米作,高冷地野菜や花木の栽培,酪農,養鯉なども盛んである。小瀬川の支流木野(この)川沿いに岩倉温泉(放射能泉,18~25℃),羅漢温泉(放射能泉,31℃),万古渓(ばんこけい)などの観光地がある。町の西部を国道186号線が大竹市に通じる。…

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