倉吉市(読み)クラヨシシ

デジタル大辞泉 「倉吉市」の意味・読み・例文・類語

くらよし‐し【倉吉市】

倉吉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

日本歴史地名大系 「倉吉市」の解説

倉吉市
くらよしし

面積:一七四・四四平方キロ

鳥取県のほぼ中央部、東伯とうはく郡の中にできた浮島のような位置にある。北は東から羽合はわい町・北条ほうじよう町・大栄だいえい町に接し、西は東伯町、南は関金せきがね町、東は北から東郷とうごう町・三朝みささ町に接する。市域の西側から南側には大山が形成したなだらかな火山性の丘陵が発達し、北側には標高二〇〇メートル以下の丘陵性山地が横たわっている。東側には標高二〇〇メートルから七〇〇メートルの山地が連なる。関金町を経て市域中央部を北東流する小鴨おがも川は、東部を北流する竹田たけだ川と合流して天神川となる。西部から中部をほぼ東流する国府こう川は旧倉吉町の北で小鴨川に合流し、主要な集落はこれらの河川流域に形成された小平野に位置する。市域北東端部をJR山陰本線が走り、天神川右岸に倉吉駅が設けられている。羽合町で国道九号から分岐する国道一七九号は天神川から竹田川沿いを南下、三朝町を経て岡山県に抜ける。同国道から分れた国道三一三号は小鴨川沿いを遡上し、関金町を経て同じく岡山県に入る。倉吉の地名由来は定かではないが、天正一一年(一五八三)七月二日の吉川元春・同元長連署宛行状(益田家什書)に「伯耆国久米郡之内西倉吉」とみえるのが倉吉の初見とされる。一説に同一〇年の岩倉いわくら城落城に伴う移住があり、住吉神社のあった神坂かんざかと一体の町になったという伝承から、岩倉の倉と住吉の吉をとって倉吉としたという(因伯地名考)

〔原始・古代〕

市域周辺に人々の足跡が残されるのは旧石器時代のことである。北部の丘陵性山地や火山性丘陵では黒曜石製のナイフなどの遺物が出土しているが、住居跡などの遺構は確認されていない。縄文時代に入ると火山性丘陵に集落が形成されはじめ、住居跡と焼石群が検出された縄文早期の取木とりぎ遺跡が早い時期の遺跡として知られる。ただしこの頃の遺跡は小規模で数も少ない。縄文晩期頃から遺跡の数は増加し、配石遺構を伴うまつつぼ遺跡などの沖積平野に立地する遺跡が現れ、同遺跡は弥生前期に継承されている。弥生中期頃から火山性丘陵を中心に集落が営まれ、弥生後期に入ると遺跡の数は爆発的に増加する。環濠集落後中尾うしろなかお遺跡をはじめとする遠藤谷峯えんどうだにみね遺跡や中峯なかみね遺跡などの集落跡、四隅突出形墳丘墓の阿弥大寺あみだいじ墳丘墓群など内容的にも優れたものが多いのが特徴。

古墳時代の集落跡は弥生後期から引継がれたものが多く、集落跡に対応するようにおびただしい数の古墳が築造された。古墳前期に属する前方後円墳は三面の舶載鏡が出土した国分寺こくぶんじ古墳を代表とするが、その数は少ない。


倉吉市
くらよしし

2005年3月22日:倉吉市が東伯郡関金町を編入
【関金町】鳥取県:東伯郡
【倉吉市】鳥取県

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「倉吉市」の意味・わかりやすい解説

倉吉〔市〕
くらよし

鳥取県中部,天神川と支流小鴨川流域に広がる市。大山の東麓に位置する。 1953年倉吉町,上井町と西郷村,上小鴨村,高城村,社村,北谷村,上北条村の6村が合体して市制。 1955年灘手村を編入。 2005年には関金町を編入した。中心市街地は中世以来,城下町として発展。江戸時代は鳥取藩池田氏の家老の陣屋があり,倉吉絣,千歯 (稲こきの農具) の産地として有名であった。国府,国分寺周辺は,古代,伯耆の国府および国分寺の所在地。市域には史跡の阿弥大寺古墳群,三明寺古墳,大原廃寺塔跡,伯耆国庁跡,国分寺跡がある。米作のほか,二十世紀梨,ワサビなどを産する。繊維,製材,木製品,食品加工,農機具などの中小工場が立地。南部山岳地帯からはウラン鉱が発見された。鳥取県の中部一帯を商圏とする地方商業都市で,地方行政出先機関や教育施設も多い。中南部には放射能泉として知られる関金温泉がある。大山に近い南西部は大山隠岐国立公園に属する。北東部には天然記念物の波々伎神社社叢があり,一帯は三朝東郷湖県立自然公園に属する。 JR山陰本線,国道 179号線,313号線が通る。面積 272.06km2。人口 4万6485(2020)。

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