小黒ヶ崎(読み)おぐろがさき

日本歴史地名大系 「小黒ヶ崎」の解説

小黒ヶ崎
おぐろがさき

[現在地名]鳴子町名生定、岩出山町池月 上宮

名生定みようさだ東端、現岩出山いわでやま町境の小黒ヶ崎山(二四四・六メートル)から東南に延びる尾根江合えあい川に接し、同川の狭窄部を形づくる所で、歌名所とされ、「封内風土記」には「高百十六間、長四町、在上宮・名生定両邑間」とみえる。「観蹟聞老志」に「或曰隠蔭磯をくろさき取之松林蔭翳之義」「郷人曰黒崎山翠松万株馬鬣鬱々」とあるように累々とした巨岩・怪石に覆われ、全山に雑木が茂り頂上一帯に老松が列を連ね、秋の紅葉、松の緑が佳景を織り成す。また金・銅の鉱山として古くから採掘が試みられ数ヵ所の坑口が残る。しかし坑内の落盤事故が頻発、多数の坑夫が生埋めになったといわれ、土地の人は死人山ともよんでいる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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