尾札部場所(読み)おさつべばしよ

日本歴史地名大系 「尾札部場所」の解説

尾札部場所
おさつべばしよ

近世の場所(持場)名。箱館六箇場所の一つ。現町域中央東寄りを流れる八木やぎ川と、約一キロ西の尾札部川までの間を拠点に、東は亀田かめだ半島東端の海馬とど岩を尻岸内しりきしない場所との境とし、西は松屋まつや(現砂原町)で茅部場所と画される(安政二年「東蝦夷地海岸図台帳」盛岡市中央公民館蔵など)。東から西へ現椴法華とどほつけ村・南茅部町・鹿部しかべ町を経て砂原さわら町の東部まで、約六二キロの海岸線に設定された六箇場所中で最大の場所。「地名考并里程記」は「ヲサツペ」の地名について「夷語ヲシャツペなり。乾く所と訳す。ヲとは有るの訓。シャツとは乾く又は干る等と申事。ペは所と申す訓なり。此川水不足なるゆへに此名ありといふ」と記す。

シャクシャインの戦に関連して「津軽一統志」の「松前より下狄地所付」に「ゑさんの崎 焼山あり」「とゝほっけ」「やしろの浜 能澗有(以上、現椴法華村)、「ふうれへつ 小川有 澗あり」「うたいわれ石」「大かち」「つきあけ」「おさつへ 狄おとなアイツライ持分 家二、三軒」「かつくみ 小船 澗有」「ほろい滝 是迄昆布有」など、当場所に含まれる地域が記される。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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