尾状花序群(読み)びじょうかじょぐん(その他表記)Amentiferae

改訂新版 世界大百科事典 「尾状花序群」の意味・わかりやすい解説

尾状花序群 (びじょうかじょぐん)
Amentiferae

ブナ科クルミ科など一群双子葉植物は,獣の尾のような長い花序をもち,尾状花序群と呼ばれる。これらの植物群はいずれも木本で,主として風媒花であり,花は比較的単純な単性花で,花弁がないなどの共通した性質をもつので,無花弁類とも呼ばれる。被子植物起源について,この無花弁類のような花弁のない単純な構造の花から花弁をもつ花が進化したとする立場をとれば,尾状花序群は最も原始的な植物群の一つであると考えられる。しかし現在,広く受け入れられている説では,大きな花を有するモクレンに代表されるような多心皮類が原始的な被子植物で,無花弁類の花弁がなく単純な花の構造は,風媒に適応することにより,二次的に生じた性質であると説明されている。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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