居船頭(読み)イセンドウ

精選版 日本国語大辞典 「居船頭」の意味・読み・例文・類語

い‐せんどうゐ‥【居船頭】

  1. 〘 名詞 〙 江戸時代、船に乗らない廻船の所有者、すなわち船主。雇われて実際に船を運航する船頭を沖船頭と呼ぶのと区別した。通常二艘以上の廻船所有者で、沖船頭に運航、商売上取引などの権限を与えた。おりせんどう。
    1. [初出の実例]「居船頭吉三郎代彌左衛門十四日暮方着被致」(出典:浦手形‐寛政元年(1789)六月一八日)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の居船頭の言及

【船頭】より

…室町時代,遣明船のような大船になると船頭は必ずしも1人ではなく,船頭と惣船頭,船頭と脇船頭のように船頭の分化が見られた。近世では船主に雇われた雇船頭(沖船頭)のほか,船頭が船主である居船頭(いせんどう)があり,前者が後者に成長するものが多かった。さらに北前船のごとく船頭は運送業務のみならず,より以上に商業業務によって利潤を獲得し,富裕化するものが少なくなかった。…

※「居船頭」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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