山元窯跡(読み)やまもとかまあと

日本歴史地名大系 「山元窯跡」の解説

山元窯跡
やまもとかまあと

[現在地名]加治木町反土 棚目

加治木城跡の南側にあった江戸時代の窯。山元碗右衛門が寛文七年(一六六七)に開いた(「加治木古今雑撰」加治木町立郷土館蔵)。延宝年間(一六七三―八一)まで操業したといわれ、廃止後しばらく山田やまだ辺川へがわ村の湯の谷ゆのたんに窯を開いていたが、元禄元年(一六八八)小山田こやまだ村に竜門司りゆうもんじ焼窯を開いた(「加治木郷土誌」など)。平成四年(一九九二)に確認調査が行われ、遺構として南向きの緩傾斜面に築かれた七室の焼成室をもつ半地下式の登窯、窯を被覆していた上屋建造物の柱穴、排水溝などが確認された。窯体は全長一四メートルほどと推定され、各焼成室は奥行一・八から二メートル、幅三メートルの平面横長プランを呈するが、若干上位焼成室の規模が大きくなる傾向がある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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