山原船(読み)やんばるせん

精選版 日本国語大辞典 「山原船」の意味・読み・例文・類語

やんばる‐せん【山原船】

  1. 〘 名詞 〙 近世から昭和初期まで使われた琉球荷船一種。中国式ジャンク船技術を基本とした琉球独特の馬艦船のうち近海航路に使用する小型船の俗称。主として山原地方のたきぎなど農林産物を、首里那覇に運送していたのでこの名が生じた。
    1. [初出の実例]「蒲帆船一私言耳、旧藩府称曰馬艦船、俗呼曰山原船」(出典:南航日記‐明治一七年(1884)五月一八日)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の山原船の言及

【平安座島】より

…第2次大戦前は農業,漁業,海運業が行われていた。とくに海運業は,全盛時代には100隻近くの山原(やんばる)船(平安座船)を擁し,沖縄本島内の国頭(くにがみ)地方と中・南部の泡瀬,与那原(よなばる),糸満,泊(那覇)の各港を結んで交易したほか,遠くは先島諸島や奄美諸島まで出航した。戦後はまったく姿を消し,島内の耕地もCTS建設以後激減している。…

※「山原船」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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