荷船(読み)ニブネ

デジタル大辞泉 「荷船」の意味・読み・例文・類語

に‐ぶね【荷船】

荷物を運送する船。荷方船。

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精選版 日本国語大辞典 「荷船」の意味・読み・例文・類語

に‐ぶね【荷船】

  1. 〘 名詞 〙 荷物を運送する貨物船総称。荷方船。
    1. [初出の実例]「荷船沖乗にて破損し」(出典:船行要術(1505))

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改訂新版 世界大百科事典 「荷船」の意味・わかりやすい解説

荷船 (にぶね)

種々の貨物海上輸送する船のこと。限られた小地域内を輸送航行する地船,地乗りと,広域を搬送する廻船,渡海船,あるいは沖乗りの区別がある。地船には,それぞれ活動する地域の名称を冠したものが多いが,なかでも尼崎船,明石船,丹後船,若狭船,尾道船,筑前船,神崎船などが有名である。一方,廻船は,航路の開拓によって,貨物の遠方輸送の重要な担い手となったが,とりわけ江戸時代における江戸~大坂間の菱垣(ひがき)廻船,樽廻船,さらに河村瑞賢によって開拓された,日本海各地の生産品を津軽海峡をへて江戸に運ぶ東廻航路下関海峡をへて大坂・江戸にいたる西廻航路がよく知られる。また北前船(きたまえぶね)は,日本海側でベンザイ船,ヤマト船,ドングリ船などと呼ばれるが,近世中期から明治時代にかけて西廻航路に就航した。当初,北国の余剰米を大坂や江戸に運ぶ目的で開始されたが,後に蝦夷地の開発が進むにつれて,ますます発展した。船主荷主を兼ねる買積制をとり,就航は年1回で,東北北陸の米や木材,北海道の干魚,魚肥,昆布などを上方へ運び,淀川河口で越年し,戻りには上方の塩,砂糖,綿,反物畳表などの雑貨を積み,各地で交易しながら北国筋へ向かった。使用された船には五百石積,千石積の大きな和船も多かった。
廻船 →北前船
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