山女原村(読み)あけびはらむら

日本歴史地名大系 「山女原村」の解説

山女原村
あけびはらむら

[現在地名]土山町山女原

笹路そそろ村の東にあり、笹路川最奥に位置する山村。東は鈴鹿山脈の主稜線となり伊勢国との境をなす。集落より東へ延び、伊勢国へ出る安楽あんらく越がある。この道は現三重県亀山市の安楽川谷へ抜け、鈴鹿峠の間道として用いられ京道ともよばれていたらしい。天正一一年(一五八三)と推定される二月一二日の羽柴秀吉書状(草津市所蔵文書)に「くさつよりあんらくこへニこされ」とみえるほか、秀吉の軍勢の往還路として使用された(「清正記」など)。京をさす道標四本が残る。考古遺跡に縄文時代の石器や弥生式土器を出す山女原遺跡がある。天正一九年四月の徳川家康知行目録写(大谷文書)に「あけひ原」一九四石余とあり、家康の在京賄料に充てられた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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