山川沼(読み)やまかわぬま

日本歴史地名大系 「山川沼」の解説

山川沼
やまかわぬま

山川新宿やまかわしんじゆく今宿いまじゆく粕礼かすれい西南にあった幅約五〇〇メートル・長さ約四キロにわたる長大な沼地。天正六年(一五七八)五月の壬生周長書状写(歴代古案)に「南陣者、去廿日山川戸張宿城無貽被取破、生城計候、彼地三方沼ニ候間、海船数多被入被取扱候」とあるが、後北条氏は山川城を攻略するため、山川沼に船を送り込んでいたのである。「村乃歴史」によれば一七世紀後半頃から干拓計画が立てられ始めていたが、費用莫大のゆえをもって実現しなかった。工事が実際に開始されたのは一八世紀前半のことで、嘉永六年(一八五三)の乍恐以書付奉願上候(会沢至文書)に、

<資料は省略されています>

とあり享保一四年(一七二九)に開発されたことがわかる。しかしその後一二〇年余を経ると堀も埋まり、旧態にもどってしまい、とくに沼周辺の農民は家屋敷まで水につかるなど悪水に悩まされていた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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