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小作 こさく

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

小作
こさく

一定の代価を支払って他人の土地を耕作すること。奈良,平安時代においてはこれを「売買」と称したこともあった。小作という語は,室町時代末期に作人職を帯した者が,他人にその地を耕作させること,すなわち「又小作」から生じたといわれるが,それが一般用語となるのは江戸期のことと思われる。場所によって,下作,入作請作などと称される場合もある。なお,江戸時代初期においては,地主が強い身分的支配権をもつ小作,すなわち名子が多かったが,中期以降,先進地帯より次第にその姿を消した。この時代の普通小作は,名田小作と,質地小作とに大別される。名田小作は,地主がその土地を他人に賃租するものであって,無年季小作,年季小作,永小作の3種に分けられる。上のうち,その小作人の有する権利は,無年季小作が最も弱く,永小作が最も強い。質地小作は,田畑の質権者が,その土地を小作させるもので,質置主を小作人とするときは,これを直小作,第三者のときは,これを別小作と称した。なお,小作料の支払方式についても,さまざまな慣行,取決めがあり,場所によっては労役をもってこれに代えることも行われていた。

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デジタル大辞泉の解説

こ‐さく【小作】

小作料を支払って、地主から借りた田畑を耕作すること。また、その人。

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大辞林 第三版の解説

こさく【小作】

地主から土地を借り、小作料を払って、農業を営むこと。また、その人。

出典 三省堂大辞林 第三版について 情報

世界大百科事典内の小作の言及

【請作】より

…なお,近世にも請作の用例が残る。これは地主から土地を乞い請けて耕作すること,すなわち小作を意味する。【須磨 千穎】。…

【永小作】より

…特殊小作慣行の一つで,永代小作,永世小作,永久小作などともよばれる。その主要な特徴は,小作期間が無期限もしくはきわめて長期であること,地主は小作人側に特別の不都合がないかぎりその土地を引き上げることができないこと,小作人はその権利を他人に売買譲渡できること,小作料が一般に低額であること,その土地への公租公課を小作人が負担する場合もあることなどであり,永小作権は普通小作権に比べて強固であった。…

【下作人】より

…今まて作仕候百姓直納に可仕事〉(渡辺文書)とあるように,近世初期の検地の過程で,中間得分収取権的所職が否定されて,農民の耕作権の公認とその年貢負担関係の対領主一本化が進行することにより,中世的な下作人は消滅した。近世の下作は小作の別称である。【須磨 千穎】。…

【時間】より

…このような開墾を行い,家族生活のために働く時間はどこから出てくるかということが問題となる。 中世の傍系血族が開墾地をもつこと,下人層が同時に小作人であることを示す一,二の資料を例示しよう。1398年(応永5)香取佐原井土庭住人案主吉房から弥二郎にあてた譲状のなかには,〈大橋の年神の松よりいとほまちまで川中のほまち1枚〉のほか16枚のほまちが譲与されている。…

【賃租】より

…日本の律令制時代における田地・園地の賃貸借の制度。平安期にみえてくる請作(うけさく)や後世の小作と比較的類似している。日本古代では,今日と違って売買と観念される行為には2種類あり,1年を限る売買と長期間にわたる永年を限る売買があった。…

【農業】より

… 第2は社会経済的な特徴であって,(1)第2次大戦以前に日本農業を支配してきた地主制が,戦後の農地改革によってほぼ完全に一掃され,農家のほとんど全部が自作農になったことである。かつては耕地の半ば近くが地主所有の小作地であったが,今日ではその大部分が自作地となり,農家は自分の所有地で農業を営む自作農となっている。(2)農業経営の規模が著しく零細なことである。…

【百姓】より

…泉州大鳥郡踞尾(つくのお)村に残された農業経営帳簿によれば,1673‐78年(延宝1‐6)には,村落上層部に属する初期本百姓の農業経営において,田畑ともに干鰯(ほしか)が投入され,田にも販売用のが作付けられていた。この経営での農業従事者には,恒常的な労働要員として血縁家族,譜代下人,年季奉公人があり,そのほかに臨時的な労働要員として,無償の労働提供を行う借家,分家,小作人などがいる。最後の3者と譜代下人とは隷属的性格をもつ労働主体であるが,年季奉公人を雇用している点に,この経営の特徴が現れている。…

【水呑】より

…無高ともいう。日本の近世期,農村に居住し,田畑を所持せず,小作地を耕作して独立の生計を立てていた農民。高請地(たかうけち)を所持した高持本百姓に対して,水呑,無高と呼ばれた。…

※「小作」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト世界大百科事典 第2版について | 情報

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