20世紀日本人名事典 「山村 雄一」の解説
山村 雄一
ヤマムラ ユウイチ
昭和期の免疫学者,内科学者 大阪大学名誉教授。
- 生年
- 大正7(1918)年7月27日
- 没年
- 平成2(1990)年6月10日
- 出生地
- 大阪府大阪市天王寺生宝町
- 学歴〔年〕
- 大阪帝国大学医学部医学科〔昭和16年〕卒
- 学位〔年〕
- 医学博士〔昭和24年〕
- 主な受賞名〔年〕
- 朝日賞(昭34年度)〔昭和35年〕,武田医学賞〔昭和53年〕,高松宮妃癌研究基金学術賞〔昭和53年〕「担ガン抗体および細胞の生化学的研究」,内藤記念科学振興賞〔昭和54年〕,日本学士院賞〔昭和60年〕「細胞性免疫とその制御」,フランス教育功労勲章シュバリエ章〔昭和60年〕,大阪文化賞〔昭和60年〕,文化功労者〔昭和63年〕
- 経歴
- 大学時代免疫学に興味を持つ。卒業後軍医大尉として別府海軍病院勤務などを経て復員し、昭和21年阪大理学部赤堀研究室で学ぶ。22年国立療養所刀根山病院医局に入り、結核性空洞を研究。のち、医長を経て、30年米国スタンフォード大学、ニューヨーク市立公衆衛生研究所に留学、32年九州大学医学部教授、37年大阪大学医学部教授、42〜44年大阪大学医学部長、54年より11代大阪大学総長、60年名誉教授。退官後、大阪府顧問、国立がんセンター顧問に就任。免疫学の権威で基礎と臨床の両方で優れた業績がある。47年日本免疫学会を発足させ初代会長。58年国際免疫学会会長を務めた。また、インターン制をやめて“阪大方式”を導入し、医学専攻科修士課程や細胞工学センターを創設するなど、医学教育の改革に大きな功績を残した。主著にベストセラーとなった「新医化学」「免疫化学」や、「新内科学」「免疫科学」などがある。
出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」（2004年刊）20世紀日本人名事典について 情報