山田三方(読み)やまだのみかた

改訂新版 世界大百科事典 「山田三方」の意味・わかりやすい解説

山田三方 (やまだのみかた)

奈良時代学者。生没年不詳。御方,御形とも書く。僧として新羅留学,のち還俗して692年(持統6)務広肆を授けられる。710年(和銅3)従五位下,周防守。文章に優れた者として2度にわたって賞賜を受け,722年(養老6)には,学者としての功績を認められて,周防守在任中の不正によって得た官物の没収をとくに免除された。《懐風藻》に大学頭として3首の詩が残る。万葉歌人の三方沙弥別人とする説が有力。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の山田三方の言及

【山田】より

…この間31年山田は外宮から,度会,多気,飯野の神三郡の所務知行権の3分の1を賦与され,自治都市へと成長していく。 49年(宝徳1)山田が宇治への参道を塞いだことにより,宇治と対立したが,翌50年の和談の場には〈山田三方〉から長3人が代表として出席しており,〈三方〉の原型がこのころ形成されたことが知られる。この三方とは岩淵方,須原(すはら)方,坂方をいい,15世紀中葉には単独で行動する場合が多かったが,文明年間(1469‐87)には〈三方老分〉として,結束して知行地の支配,座の統制,神宮との交渉,警察司法などに〈公界沙汰〉としてあたった。…

※「山田三方」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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