山田朝右衛門(読み)やまだあさえもん

改訂新版 世界大百科事典 「山田朝右衛門」の意味・わかりやすい解説

山田朝右衛門 (やまだあさえもん)

江戸時代,将軍佩刀(はいとう)の様斬(ためしぎり)(御様御用(おためしごよう))を務めた浪人。代々朝右衛門(浅右衛門とも書かれる)を名のり,江戸麴町平河町に居住して門弟を抱えた。本職たる様斬のほか,死罪執行のとき町奉行同心に代わって首打役(くびうちやく)を引き受けることも多く,世に首斬朝右衛門と称された。初代朝右衛門貞武は元禄・宝永(1688-1711)ころの人。据物斬(すえものぎり)の名手で,これを家業として伝えた。7代吉利は安政の大獄において頼三樹三郎,吉田松陰の処刑にあたったという。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の山田朝右衛門の言及

【様斬】より

…将軍の佩刀(はいとう)の場合,死罪の刑に処せられた者の死体を用い,牢屋内の様場(ためしば)において執り行った。浪人山田朝右衛門が代々御様御用(おためしごよう)の任にあたり,腰物奉行(こしものぶぎよう)らの立会いの下で,土壇に横たえられた刑屍を据物斬(すえものぎり)して斬れ味などを報告する。朝右衛門はまた,町奉行同心に代わって斬首刑の首打役(くびうちやく)を務めることがあり,その際に大名,旗本,陪臣から依頼された刀をためした。…

※「山田朝右衛門」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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