山預(読み)やまあずかり

改訂新版 世界大百科事典 「山預」の意味・わかりやすい解説

山預 (やまあずかり)

古代・中世において公領では国衙に,荘園では荘園領主によって補任され,山林の管理・運営などをつかさどった役職名。多くはその地域の有力者が補任され,在地の名主層から補任された〈山守〉を監督し,山手徴収山賊追捕濫伐の防止などにあたったと思われるが,具体的な権限や職務内容は必ずしも明らかでない。731年(天平3)の住吉大社司解には〈山預石川錦織許呂志奉仕山名所所在〉とある。また946年(天慶9)の伊賀国神戸長部解案によれば,公浪人をもって太神宮領の名張の山預職に補任することの停止を申し請うている。さらに《紀伊続風土記》所収の荘司氏文書によれば,1094年(嘉保1)紀伊国木本御厨内の山手を沙汰していた山預常国は,検校宮貞なるものの訴えによりその職を停止され,かわって宮貞が山預に補されていることが知られる。1247年(宝治1)6月の高野山住僧等解には〈行事山籠〉〈年預山籠〉などの名もみえている。
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