追捕(読み)ツイブ

  • ついふく
  • ついほ
  • 追▽捕

デジタル大辞泉の解説

[名](スル)
賊や罪人などを追いかけて捕らえること。ついほ。
奪い取ること。没収すること。ついほ。
「僧坊民屋を―し、財宝をことごとく運び取って後」〈太平記・八〉
[名](スル)
ついぶ(追捕)1」に同じ。
「―せらるる者の如く」〈織田訳・花柳春話
ついぶ(追捕)2」に同じ。
「其の家に乱入し、資財雑具を―し」〈平家・一〉
ついぶ(追捕)」に同じ。〈日葡

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世界大百科事典 第2版の解説

〈ついふく〉〈ついぶく〉〈ついぷく〉とも訓む。本来は,追跡してらえることを意味した。律令条文のなかにすでに見える。ここでは〈罪人〉はもちろんのこと,〈囚(しゆ)〉〈征人(せいじん)〉〈防人(さきもり)〉〈衛士(えじ)〉〈仕丁(じちよう)〉など軍事・警察的任務についているものや,〈流(る)〉〈移(い)〉など強制的に居所を移されたものが,その指定された場所から逃亡した場合にも(こういう者を〈亡者〉と総称する)追捕の対象となった。

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大辞林 第三版の解説

スル
ついふ ついふく ついほとも
賊などを追って捕らえること。
うばい取ること。没収。 僧坊民屋を-し、財宝を悉く運び取つて/太平記 8
スル
ついぶ(追捕)に同じ。 家成中納言が家-したりければ/愚管 4
ついぶ(追捕)に同じ。 シザイヲ-スル/日葡
スル
は漢音
ついぶ(追捕)に同じ。 あたかも-せらるる者の如く/花柳春話 純一郎
ついぶ(追捕)に同じ。 資材雑具を-し/平家 1

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精選版 日本国語大辞典の解説

〘名〙 (「ついふ」とも)
① 追いかけて捕えること。官から役人をつかわして、罪人などを追い捕えること。ついほ。ついふく。
※続日本紀‐文武四年(700)一一月乙未「天下盗賊往々而在。遣使追捕」
※今昔(1120頃か)二九「祖の家に行て、此の由を云て、追捕せむと為るに」 〔史記‐衡山王伝〕
② 追及してとりあげること。没収すること。うばいとること。ついほ。ついふく。
※高野本平家(13C前)一「資財雑具を追捕(ツイフ)し」
※太平記(14C後)一六「一粒をも刈り採り、民屋の一をも追捕(ツイフ)したらんずる者をば」
〘名〙 (「ついぶく」とも)
① =ついぶ(追捕)①〔色葉字類抄(1177‐81)〕
※愚管抄(1220)四「家成が家のかどに下人をたてて前を通られけるに〈略〉ついぶくはしたりけるなり」
※天草本平家(1592)一「tçuifucu(ツイフク) ノ クヮンニン ガ マイッテ シザイ、ザウグ ヲモ ウバイ トリ」
〘名〙 (「ほ」は「捕」の漢音)
※文明本節用集(室町中)「追捕 ツイホ」
※花柳春話(1878‐79)〈織田純一郎訳〉三一「追捕(ツイホ)せらるる者の如く」
※平家(13C前)一「其家に乱入し、資財雑具を追捕(ツイホ)〈高良本ルビ〉し」

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