岡寺跡(読み)おかでらあと

国指定史跡ガイド 「岡寺跡」の解説

おかでらあと【岡寺跡】


奈良県高市郡明日香村岡にある寺院。正式名称は龍蓋(りゅうがい)寺。1982年(昭和57)に橿原考古学研究所による発掘調査で、基壇建物の北側を画したと思われる凝灰岩の切り石が4.5mほど並び、その東端に階段があったらしいことが判明し、南向きに建つ7間(約12.74m)×4間(7.28m)の金堂と推定された。その他の建物や伽藍(がらん)配置については不明だが、この寺は7世紀末から8世紀前半に僧義淵(ぎえん)が草壁皇子の岡宮を寺としたことに始まるとされ、奈良時代の基壇の遺構などが確認されている。平安時代になると興福寺僧が別当を務め、平安時代後期には塑造如意輪観音坐像が3間四面の礼堂に安置されていたことが知られる。岡寺所蔵の寛文年間(1661~73年)の絵図には、境内西方の治田(はるた)神社付近に金堂や講堂・塔の跡が描かれているという。近畿日本鉄道橿原線ほか橿原神宮前駅からコミュニティバス「岡寺前」下車、徒歩約3分。

出典 講談社国指定史跡ガイドについて 情報

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