岡部又右衛門(読み)おかべ・またえもん

朝日日本歴史人物事典 「岡部又右衛門」の解説

岡部又右衛門

没年:天正10.6.2(1582.6.21)
生年:生年不詳
室町・安土桃山時代の大工。名は以言,正七位上,修理亮。『岡部家由緒書』によると,岡部家は室町将軍家の修理亮を勤めた家柄で,熱田大工として活躍し,以言も天正3(1575)年の織田信長熱田神宮造営に被官大工として参加した。『信長公記』には御大工岡部又右衛門の名が「安土山天主之次第」の項にみえ,安土城天守の造営にその子又兵衛以俊と共に参加している。以俊の子宗光も又兵衛と称し,徳川家康の二条城造営などにかかわった。以言は本能寺の変で子の以俊と共に戦死した。

(西和夫)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「岡部又右衛門」の解説

岡部又右衛門 おかべ-またえもん

?-1582? 織豊時代の大工。
尾張(おわり)(愛知県)熱田の工匠。織田信長につかえ,天正(てんしょう)3年熱田神宮造営に参加。4年近江(おうみ)安土城の築城にも子の以俊(もちとし)とともにくわわって総大匠司となり,信長から「日本総天守棟梁」の称号をあたえられた。天正10年6月2日本能寺の変で戦死したという。名は以言(もちあき)。

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