岩部郷(読み)いわべごう

日本歴史地名大系 「岩部郷」の解説

岩部郷
いわべごう

千田ちだ庄に属し、在地領主としては千葉氏系岩部氏が知られる。神代本千葉系図は常朝系原氏の一流に岩部氏を載せ、原家朝の子息に岩部五郎兵衛尉をあげており、兵衛次郎有常・兵衛三郎常正・中務胤永と継いでいる。建武二年(一三三五)と推定される年月日未詳の某書状(金沢文庫文書)によると、当地の岩部中務胤永が千葉介貞胤の「大嶋」(現多古町船越)攻撃に加わるであろうと伝えられている。延文六年(一三六一)三月六日の日祐譲状(中山法華経寺文書)に「岩部郷内法花道場御寄進田二丁別紙有之」、至徳元年(一三八四)九月日の日尊申状(同文書)に「千田庄岩部郷内田参町・畠陸段・在家壱宇者、為法花道場免」とあり、元徳三年(一三三一)九月四日、当郷内の法華道場免として千葉胤貞から猶子である大輔法印日祐に譲与され、さらに延文六年日祐から弟子日尊に譲与され、応安四年(一三七一)一二月一日に将軍足利義満の所領安堵を受けた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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