20世紀日本人名事典 「島崎こま子」の解説
島崎 こま子
シマザキ コマコ
- 生年
- 明治26(1893)年11月7日
- 没年
- 昭和54(1979)年6月29日
- 出生地
- 旧朝鮮・京城
- 出身地
- 長野県木曽郡南木曽町吾妻
- 本名
- 長谷川 こま子(ハセガワ コマコ)
- 学歴〔年〕
- 三輪田高女卒
- 経歴
- 父は文豪として知られる島崎藤村の兄。旧朝鮮の京城(現・ソウル)で生まれたため、こま子と命名されたと言われる。16歳の時に郷里である長野県吾妻村(現・南木曽町)から上京、三輪田高女に学ぶ。20歳の時に妻を亡くした叔父・藤村の家の家事手伝いを始めたことをきっかけに藤村との関係を深め、子どもを宿すまでになる。大正7年藤村はこま子との関係をもとに小説「新生」を発表。藤村との別離のあと、14年から京都帝国大学YMCAの寮母となり、昭和2年学生運動の指導者だった長谷川博と結婚。献身的に学生運動や労働運動に携わる学生を支援したが、そのため特高警察に狙われ、東京に戻る。12年には過労のため街路で倒れ、救貧院に保護されるまで困窮した。戦後、共産党に入党し、職場離脱闘争で逃れてきた活動家をかくまい助けた。平成15年その半生を描いた「島崎こま子の『夜明け前』」が刊行された。
出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報