朝日日本歴史人物事典 「島田左近」の解説
島田左近
生年:生年不詳
幕末の九条家家士。美濃(岐阜県)の神職,あるいは山伏の子ともいわれ,出自は未詳。上洛し,つてを求めて九条家の家士となる。安政5(1858)年,関白九条尚忠の側近にあり,井伊直弼の謀臣長野主膳(義言)と協力して尊攘派の浪士,公家侍の捕縛を指揮した。のち幕臣の身分を望み主膳と反目。文久2(1862)年,尊王攘夷運動が高揚し始めた7月20日,田中新兵衛,鵜木孫兵衛,志々目献吉により殺害,年38ばかりであったという。首は四条河原にさらされた。天誅という名の,尊攘派による暗殺事件の初めである。
(井上勲)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報