川妻村（読み）かわつまむら

日本歴史地名大系

川妻村
かわつまむら

• 茨城県：猿島郡
• 五霞村
• 川妻村

[現在地名]五霞村川妻

利根川と権現堂（ごんげんどう）川（廃川）の分岐点東南に所在。南を佐伯（さえき）川が流れ、各河川の築堤によって三角形の島を形成し、村内は平坦である。東から南は小手指（こてさし）村。下総関宿へ至る関宿街道があり、かつては当地を通る鎌倉街道があったという。中世には下河辺（しもこうべ）庄に属し、河妻（かわつま）郷と称し、文永一二年（一二七五）の金沢実時譲状（市島謙吉文書）によれば「下総国下河辺庄前林・河妻両郷」は実時から妻と思われる藤原氏（尼慈性）に一期譲与されており、嘉元二年（一三〇四）と思われる称名寺寺用配分置文（金沢文庫文書）には「谷殿御分大倉郷　石村郷　下川辺庄前林郷　河妻郷　米五石四斗七升　銭九貫九百四十文」とあり、前林（まえばやし）郷（現総和町）とともに金沢（北条）氏の支配を受けていた。

出典　平凡社「日本歴史地名大系」