川柳将軍塚古墳‐姫塚古墳(読み)せんりゅうしょうぐんづかこふんひめづかこふん

国指定史跡ガイド の解説

せんりゅうしょうぐんづかこふんひめづかこふん【川柳将軍塚古墳‐姫塚古墳】


長野県長野市篠ノ井石川にある古墳川柳将軍塚古墳は、善光寺平(長野盆地)の西縁、湯ノ入山頂先端の断層崖上に築かれた前方後円墳である。全長約91m、後円部径42m、前方部幅31mで、前方部は北北東を向いている。くびれ部の西側には部分的な濠の痕跡と思われる地形が残る。後円部と前方部の頂部には、竪穴(たてあな)式石室と推定される埋葬施設がともに主軸に平行して配置されていたという。享保年間(1716~36年)や寛政年間(1789~1801年)に盗掘を受けたが、多数の鏡や碧玉(へきぎょく)製車輪石などが出土したことが記録されている。現存するものは鏡8面、碧玉製垂飾、勾玉(まがたま)、管玉(くだたま)、切り子玉などである。この古墳は4~5世紀の築造と考えられ、多くの副葬品を出土した善光寺平最古期の古墳として重要である。川柳将軍塚古墳の北方約200mにある姫塚古墳は、全長31mの前方後円墳で、後方部長約20m、高さ約4m、前方部の高さ約2mという小型の古墳である。立地条件や古墳の形から、川柳将軍塚に先立って造られたと考えられ、1977年(昭和52)、あわせて国の史跡に指定された。JR信越本線ほか篠ノ井駅から車で約10分。

出典 講談社国指定史跡ガイドについて 情報

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