州際通商(読み)しゅうさいつうしょう(その他表記)interstate commerce

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「州際通商」の意味・わかりやすい解説

州際通商
しゅうさいつうしょう
interstate commerce

アメリカ合衆国の諸州間の通商をいう。全国的規模で行われる運送業,全国的なネットワークを有する放送事業,全国に工場を有する製造業,あるいは全国的なチェーン店を有するスーパーマーケットなど,いろいろな形のものがある。事業の及ぶ影響が,実質的に2州以上に関係すると認められる一切の場合をいうと解されており,規制については,合衆国憲法によって,連邦議会権限が与えられている。州際通商の範囲は,従来は狭く解釈され,州と州の境を越えて商品が移動した場合に限られていたが,その後連邦最高裁判所判決により,たとえ商品の移動が行われなくても,ある州内で行われる活動の経済的効果が他の州に及ぶ場合には,州際通商の範囲に属するとされた。たとえば,ある州内の工場でストライキが発生した場合,それによる生産の停滞から生ずる経済的効果が州の境を越えて波及すれば,州際通商の範囲に属し,連邦政府,この場合には,連邦の労働委員会が介入できることになる。

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世界大百科事典(旧版)内の州際通商の言及

【州際通商法】より

…州際通商の規制に関する一連のアメリカ合衆国連邦法。〈州際通商〉とは,複数の州との間または州とその州外の地(外国を含む)との間の交易,通商,輸送,伝達,通信をいい,合衆国憲法(第1編第8節3項)は連邦議会に州際通商を規制する権限を与えている。…

※「州際通商」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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