巡り物語(読み)めぐりものがたり

百科事典マイペディア 「巡り物語」の意味・わかりやすい解説

巡り物語【めぐりものがたり】

3人以上の人々が座を囲んで順に物語する形式をいう。用例としては鎌倉初期の《古事談》に〈御前ニ祗候之人ニ巡物語可仕(つかまつるべし)ト少々利口物語ナド申サシムル間〉とあるのが早い。それ以前では,空海の《三教指帰(さんごうしいき)》は論争であるから範囲外としても,《源氏物語》の〈雨夜の品定め〉はその趣向を借りたものと認めてよい。物語の外枠として〈巡り物語〉を用いて全体を構成したものに室町期の説話集三国伝記》があり,また御伽草子の《三人法師》や《高野物語》は典型的である。この形式はやがて江戸期の〈百物語〉へと至ることになる。

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