工石山(読み)くいしやま

日本歴史地名大系 「工石山」の解説

工石山
くいしやま

長岡郡の北部、大豊おおとよ町と本山もとやま町境にある標高一五一五・九メートルの山。南方には白髪しらが山があり、四国山地の主山脈石鎚いしづち山系の一角を形成する。工石山東側の水は東流し、吉野川の支流立川たぢかわ川となり、西側の水は竜王りゆうおう川さらに汗見あせみ川となって吉野川に注ぐ。「土佐州郡志」は「相伝、昔平家散兵逃来於此、糧尽飢甚、乃相謂曰、嗚呼若此石可以喰則喰之、然石終不可喰矣、因後人名焉」と記す。喰石山(土佐州郡志)、久以志山(「土陽淵岳誌」県立図書館蔵)とも書かれた。

工石山は山岳信仰の山で登山路は立川川沿いにあった。その登山路沿い、山頂すぐ下に神社がある。「土佐州郡志」が喰石くいし権現社、「南路志」が喰石白山くいしはくさん権現、「土陽淵岳誌」が久以志くいし権現と記す神社である。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

世界大百科事典(旧版)内の工石山の言及

【土佐山[村]】より

…東端の鏡川最上流に鍾乳洞の菖蒲(しようぶ)洞があり,すぐ近くの初平(しよへい)ガ岩屋とともに弥生時代の遺物が出土した。北の土佐町との境にそびえる工石(くいし)山(1176m)にはシャクナゲの群落もある。【萩原 毅】。…

※「工石山」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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