差当(読み)さしあたり

精選版 日本国語大辞典 「差当」の意味・読み・例文・類語

さし‐あたり【差当】

  1. [ 1 ] 〘 副詞 〙 ( 動詞「さしあたる(差当)」の連用形から )
    1. 今この場合。現在のところ。さしずめ。目下当面。さしあたって。さしあたりて。
      1. [初出の実例]「今の世の公達(きんだち)はたださしあたり見たてまつるに、かどあり、めやすくこそおはすれ」(出典有明の別(12C後)三)
      2. 「早速病院へ入れたのだが、差し当り困るのは金で」(出典:永日小品(1909)〈夏目漱石〉山鳥)
    2. 緊急に。とっさに。突然。さし迫って。さしあたって。〔和英語林集成初版)(1867)〕
  2. [ 2 ] 〘 名詞 〙 支障のあること。さしさわり。
    1. [初出の実例]「女は与へられたものを正しいものと考へる。其なかで差し当りのない様に暮らすのを至善と心得てゐる」(出典:野分(1907)〈夏目漱石〉一〇)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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