市ノ久保遺跡(読み)いちのくぼいせき

日本歴史地名大系 「市ノ久保遺跡」の解説

市ノ久保遺跡
いちのくぼいせき

[現在地名]犬飼町大寒

大野川中流右岸の標高一二〇メートルの台地にある旧石器時代後期細石器文化期の遺跡。昭和六二年(一九八七)に発掘調査が行われ、多数の船野型とよばれる細石核を含む約六千五〇〇点の石器類が出土した。細石核は約一〇〇点に及び、細石刃のほか各種の削器、局部磨製石斧・石皿・敲石などが共伴しているが、土器の伴出はない。このような細石核文化の石器組成は九州地方では初めてで、とくに小型の石斧の存在は注目され、局部磨製一・打製二となっている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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